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レッスン 1 / 15推定時間: 30

なぜプログラミングに英語が必要か

プログラミング言語が英語ベースの理由と、AI時代における技術英語の重要性を理解します

なぜプログラミングに英語が必要か

プログラミングを学び始めたあなたは、こんな壁にぶつかっていませんか?

  • エラーメッセージが出ても、何を言っているのか分からない
  • 変数名をつけるとき、いつも悩んでしまう
  • ドキュメントを読もうとしても、英語ばかりで挫折する

大丈夫です。 このコースを修了すれば、これらの悩みは解決します。

プログラミング言語はなぜ英語ベースなのか

歴史的な理由

プログラミング言語の多くは、1950年代から1970年代にかけてアメリカで開発されました。

FORTRAN (1957) → FORmula TRANslation(数式の翻訳)
COBOL (1959) → COmmon Business-Oriented Language(共通ビジネス向け言語)
C言語 (1972) → 開発者デニス・リッチーがアメリカで開発

これらの言語が世界標準となり、後続の言語も英語ベースで作られるようになりました。

実用的な理由

  1. 世界共通の言語として

    • 世界中の開発者が協力できる
    • オープンソースプロジェクトに参加しやすい
    • 質問サイトで助けを求めやすい
  2. シンプルで明確

    • 英語の命令は短くて覚えやすい
    • if(もし)、while(〜の間)、for(〜のために)
    • 日本語だと「もし〜ならば」となり、長くなってしまう
  3. ASCIIコードで表現できる

    • 基本的な英語は7ビットで表現可能
    • 世界中のコンピュータで確実に動作

日本語でプログラミングできない理由

技術的には日本語でもプログラミング言語を作ることは可能です。実際、「なでしこ」や「ドリトル」といった日本語プログラミング言語も存在します。

しかし、実用的ではない理由があります:

1. エコシステムの問題

// 英語の場合
const userName = "太郎";
console.log(userName);

// もし日本語だったら...
定数 ユーザー名 = "太郎";
コンソール.ログ(ユーザー名);

世界中で使われているライブラリやフレームワークはすべて英語です。日本語だけでプログラミングしても、結局英語のツールを使う必要があります。

2. 入力の効率性

英語は半角文字で入力できますが、日本語は全角入力への切り替えが必要です。プログラミングでは頻繁に記号を使うため、入力モードの切り替えは大きなストレスになります。

3. 文字コードの互換性

日本語を含むソースコードは、文字化けのリスクがあります。特に異なる環境間でファイルを共有する場合、問題が発生しやすくなります。

英語を学ぶことで広がる可能性

1. 世界中の知識にアクセスできる

  • Stack Overflowで質問・回答できる
  • GitHubで世界中のコードを読める
  • 最新の技術ドキュメントをいち早く理解できる

2. エラーメッセージが怖くなくなる

Error: Cannot read property 'name' of undefined

このメッセージを見て「うわっ、英語だ...」と思う代わりに、「nameプロパティが読めない、undefined(未定義)だから」と理解できるようになります。

3. より良いコードが書ける

適切な英語の変数名・関数名をつけることで、他の開発者(将来の自分も含む)が理解しやすいコードになります。

AI時代における技術英語の重要性

AIツールとの対話

ChatGPTやGitHub CopilotなどのAIツールは、英語で最も高い性能を発揮します。

❌ 日本語プロンプト:「ユーザーのリストを名前でソートして」
✅ 英語プロンプト:"Sort the user list by name"

英語のプロンプトの方が、より正確で効率的な結果を得られることが多いです。

最新情報へのアクセス

AI関連の最新論文、ツール、ライブラリの情報は、まず英語で公開されます。日本語訳を待っていては、技術の進歩に取り残されてしまいます。

グローバルな協働

リモートワークが当たり前になった今、世界中のエンジニアと協働する機会が増えています。技術英語ができれば、その可能性は無限に広がります。

「一貫性のある命名」の価値

Qiitaの人気記事「プログラミングでよく使う英単語のまとめ」が示すように、一貫性のある命名は非常に重要です。

例えば、データを取得する処理でも:

  • getData() → 曖昧すぎる
  • fetchUserData() → 外部APIから取得することが明確
  • retrieveUserData() → 保存されたデータを復元することが明確

このような微妙なニュアンスの違いを理解することで、より意図が明確なコードを書けるようになります。

本コースの学習方法

このコースでは、以下の方法で効率的に学習を進めます:

1. 実例中心の学習

実際のエラーメッセージやコードを題材に、生きた英語を学びます。

2. 段階的な学習

  • 第1章:基礎50語(初学者向け)
  • 第2章:実践150語(初級〜中級)
  • 第3章:上級200語(中級者向け)

合計400語の実践的な英単語をマスターします。

3. クイックテストで定着

各章の最後には、5〜10分で完了するクイックテストがあります。

  • ゲーム感覚で楽しく学習
  • 即座にフィードバック
  • 間違えた問題は自動的に復習リストへ

まとめ

プログラミングに英語が必要な理由は:

  1. 歴史的背景:プログラミング言語は英語圏で生まれた
  2. 実用性:世界中の開発者と協力できる
  3. AI時代の必須スキル:AIツールを最大限活用できる
  4. キャリアの可能性:グローバルに活躍できる

英語は「壁」ではなく、あなたの可能性を広げる「扉」です。

次のレッスンでは、プログラミング英語で特に重点的に学ぶべきポイントを詳しく見ていきましょう。