はじめに
前回は、変数を「名前付きの箱」として学びました。
今日は、その箱に入れるモノの種類について学びます。
実は、箱にはそれぞれ「入れられるもの」が決まっているんです!
身の回りの「専用の箱」
おうちの中を見てみよう
あなたの家には、いろいろな「専用の箱」がありませんか?
🏠 専用の箱の例
- 冷蔵庫:食べ物専用(本は入れない)
- 本棚:本専用(ジュースは置かない)
- 貯金箱:お金専用(おもちゃは入らない)
- ペンケース:文房具専用(お菓子は入れない)
なぜ専用の箱があるの?
- 整理しやすい
- 必要なものがすぐ見つかる
- 間違えない(本棚にジュースを置いたら大変!)
プログラミングでも同じです!
プログラミングの3つの基本データ型
1. 数字(Number)
🔢 数字の箱
入れられるもの:
- 整数:1, 2, 100, -5, 0
- 小数:3.14, 0.5, -2.7
使う場面:
- 年齢 = 10
- 気温 = 25.5
- お小遣い = 500
- テストの点数 = 85
2. 文字(String)
📝 文字の箱
入れられるもの:
- 文字:"こんにちは"
- 名前:"山田太郎"
- 記号:"★☆♪"
- 数字も文字として:"12345"(計算はできない)
使う場面:
- 名前 = "たろう"
- メッセージ = "おはよう!"
- 住所 = "東京都○○区"
- 電話番号 = "03-1234-5678"(計算しないから文字)
3. はい/いいえ(Boolean)
⭕❌ はい/いいえの箱
入れられるもの:
- はい(true)
- いいえ(false)
使う場面:
- 宿題終わった = true
- お腹すいた = false
- ゲームクリア = true
- 雨が降っている = false
なぜデータ型を分けるの?
例1:計算の問題
// 数字として扱う場合
数字1 = 5
数字2 = 3
答え = 数字1 + 数字2 // 8
// 文字として扱う場合
文字1 = "5"
文字2 = "3"
答え = 文字1 + 文字2 // "53"(くっつくだけ!)
同じ「+」でも、数字と文字では動きが違います!
例2:電話番号の例
// ❌ 間違い:数字として扱う
電話番号 = 0312345678
// 最初の0が消えてしまう!
// ✅ 正解:文字として扱う
電話番号 = "03-1234-5678"
// ちゃんと保存される
データ型の見分け方
クイズ:どのデータ型?
次のデータは、どの型の箱に入れるべきでしょう?
- あなたの年齢
- 好きな色
- 身長
- 朝ごはんを食べた?
- 誕生日
- 体重
答えを見る
- 年齢 → 数字(10, 11, 12...)
- 好きな色 → 文字("赤", "青", "緑"...)
- 身長 → 数字(130.5, 145.2...)
- 朝ごはんを食べた? → はい/いいえ(true/false)
- 誕生日 → 文字("4月1日", "2013/04/01")
- 体重 → 数字(35.5, 40.2...)
データ型の変換
文字を数字に変換
// 文字の"100"を数字の100に変換
文字の数 = "100"
数字の数 = 文字の数を数字に変換 // 100
// これで計算できる!
答え = 数字の数 + 50 // 150
数字を文字に変換
// 数字を文字に変換して、メッセージを作る
年齢 = 10
メッセージ = "私は" + 年齢を文字に変換 + "歳です"
// "私は10歳です"
実践:データ型を使い分けよう
例:プロフィールカード作成
// いろいろなデータ型を使う
名前 = "山田太郎" // 文字
学年 = 5 // 数字
身長 = 142.5 // 数字(小数)
好きな教科 = "算数" // 文字
給食は好き = true // はい/いいえ
クラブ活動している = true // はい/いいえ
// プロフィールを表示
"名前:" + 名前
"学年:" + 学年 + "年生"
"身長:" + 身長 + "cm"
"好きな教科:" + 好きな教科
// 条件で表示を変える
もし 給食は好き が true なら
"給食大好き!"
そうでなければ
"給食は苦手..."
よくある間違いと対処法
間違い1:文字と数字を混ぜる
// ❌ 間違い
年齢 = "10歳"
来年 = 年齢 + 1 // エラー!"10歳"に1は足せない
// ✅ 正解
年齢 = 10
来年 = 年齢 + 1 // 11
表示 = 来年 + "歳" // "11歳"
間違い2:はい/いいえを文字にする
// ❌ 間違い
宿題終わった = "はい" // 文字にしてしまった
// ✅ 正解
宿題終わった = true // はい/いいえ型を使う
// これで条件判断ができる
もし 宿題終わった が true なら
ゲームで遊ぶ
練習問題
問題1:お買い物計算
次のデータを適切な型で表現してください:
- 商品名
- 値段
- 個数
- 割引あり?
答えを見る
商品名 = "チョコレート" // 文字
値段 = 120 // 数字
個数 = 3 // 数字
割引あり = true // はい/いいえ
// 計算する
合計 = 値段 × 個数 // 360
もし 割引あり が true なら
合計 = 合計 × 0.9 // 10%引き
// 324円
問題2:クイズゲーム
クイズゲームで使うデータの型を考えてみましょう:
問題:日本の首都は?
選択肢:A.大阪 B.東京 C.名古屋
プレイヤーの答え:B
正解かどうか:?
得点:?
答えを見る
問題 = "日本の首都は?" // 文字
選択肢A = "大阪" // 文字
選択肢B = "東京" // 文字
選択肢C = "名古屋" // 文字
プレイヤーの答え = "B" // 文字
正解 = "B" // 文字
正解かどうか = true // はい/いいえ
得点 = 10 // 数字
実践演習:CommandPlaygroundで体験
CommandAcademy Terminal
Welcome to CommandAcademy Terminal!
Type "help" to see available commands.
user@cmdac:~$
█
ファイルツリー
/
etc
hosts35B
passwd76B
home
user
tmp
usr
bin
share
var
log
今日のまとめ
覚えておいてほしい3つのこと
- データには「数字」「文字」「はい/いいえ」の3つの基本型がある
- それぞれの型には、適した使い方がある
- 型を間違えると、思った通りに動かない
次回予告
次のレッスンでは、「もし〜なら」という条件分岐を学びます。
- もし雨なら → 傘を持つ
- もし宿題が終わったら → 遊ぶ
- もしお金が足りたら → 買う
プログラムに「判断力」を持たせる、とても大切な機能です!
チャレンジ問題
ミッション:ペット管理アプリ
ペットの情報を管理するアプリのデータを設計してください。
管理したい情報:
- ペットの名前
- 種類(犬、猫、ハムスターなど)
- 年齢
- 体重
- 予防接種済み?
- 好きな食べ物
- 飼い始めた日
それぞれ、どのデータ型を使うべきでしょうか?
答えの例を見る
// ペット情報
ペットの名前 = "ポチ" // 文字
種類 = "犬" // 文字
年齢 = 3 // 数字
体重 = 5.5 // 数字(小数)
予防接種済み = true // はい/いいえ
好きな食べ物 = "ささみ" // 文字
飼い始めた日 = "2021年4月1日" // 文字
// 年齢を人間換算する(犬の場合)
人間換算年齢 = 年齢 × 7 // 21歳
// メッセージを作る
もし 予防接種済み が true なら
"安心!予防接種済みです"
そうでなければ
"予防接種を受けましょう"
素晴らしい!データ型の使い分けができるようになりましたね。これで、いろいろな情報を正しく扱えるようになりました。次回もお楽しみに!