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レッスン 4 / 15推定時間: 25

変数って何?「名前付きの箱」のお話

プログラミングで一番よく使う「変数」を、身近な「箱」に例えて学びます。箱に物を入れたり、取り出したり、中身を入れ替えたり。変数の基本的な使い方をマスターしましょう!

はじめに

今日は、プログラミングでとってもよく使う「変数(へんすう)」について学びます。

「変数」という言葉、ちょっと難しそうですね。

でも大丈夫!**変数は「名前付きの箱」**だと思えば、とても簡単です。

身の回りの「名前付きの箱」

あなたの部屋を想像してください

あなたの部屋には、いろいろな「箱」がありませんか?

🏠 部屋にある名前付きの箱

  • おもちゃ箱:おもちゃを入れる箱
  • 筆箱:えんぴつや消しゴムを入れる箱
  • お菓子の箱:お菓子を入れる箱
  • 思い出の箱:大切な物を入れる箱

これらの箱には、それぞれ名前があって、中に何かを入れることができますね。

プログラミングの「変数」も、まさに同じです!

変数=名前付きの箱

変数の3つの特徴

  1. 名前がある

    • 「おもちゃ箱」「筆箱」のように、変数にも名前をつけます
  2. 中身を入れられる

    • 数字、文字、いろいろなものを入れられます
  3. 中身を取り出せる

    • 必要なときに、箱の中身を使えます

プログラミングでの例

// 「年齢」という名前の箱を作って、「10」を入れる
年齢 = 10

// 「名前」という名前の箱を作って、「太郎」を入れる
名前 = "太郎"

// 「お小遣い」という名前の箱を作って、「500」を入れる
お小遣い = 500

なぜ変数(箱)が必要なの?

例1:計算機を作るとき

変数がない場合:

5 + 3 = 8
8 + 2 = 10
10 + 7 = 17

毎回、前の答えを覚えておかないといけません。大変!

変数がある場合:

答え = 5 + 3      // 答えという箱に8を入れる
答え = 答え + 2   // 箱の中身(8)に2を足して、10を入れる
答え = 答え + 7   // 箱の中身(10)に7を足して、17を入れる

「答え」という箱に結果を保存できるので、便利!

例2:ゲームを作るとき

🎮 ゲームで使う変数(箱)

プレイヤーの名前 = "ゆうしゃ"
レベル = 1
HP = 100
お金 = 50

// 戦闘でダメージを受けた!
HP = HP - 20  // HPが80になる

// レベルアップした!
レベル = レベル + 1  // レベルが2になる

変数があるから、ゲームの状態を記憶できるんです!

箱の中身を変える

実生活の例

あなたの「貯金箱」で考えてみましょう:

最初:貯金箱には100円入っている

月曜日:50円もらった
→ 貯金箱 = 100 + 50 = 150円

水曜日:30円使った
→ 貯金箱 = 150 - 30 = 120円

金曜日:200円もらった
→ 貯金箱 = 120 + 200 = 320円

プログラミングでも同じ!

貯金箱 = 100      // 最初は100円

貯金箱 = 貯金箱 + 50   // 150円になる
貯金箱 = 貯金箱 - 30   // 120円になる
貯金箱 = 貯金箱 + 200  // 320円になる

// 最終的に貯金箱の中身は320円!

変数の名前のつけ方

良い名前の例

分かりやすい名前をつけましょう!

// ✅ 良い例
プレイヤーの名前 = "たろう"
現在の気温 = 25
好きな色 = "青"
テストの点数 = 85

あまり良くない名前の例

// ❌ 良くない例
a = "たろう"     // aって何?
x = 25          // xって何の数字?
= "青"        // 短すぎて分からない

名前付けのコツ

  1. 何が入っているか分かる名前にする

    • ○ 「お小遣い」
    • × 「お金」(何のお金か分からない)
  2. 日本語でもOK!(最近のプログラミング環境では)

    • でも、英語も覚えておくと便利
  3. 長すぎず、短すぎず

    • ○ 「テストの点数」
    • × 「今日の算数のテストで取った点数の結果」(長すぎ)

練習問題:変数を使ってみよう

問題1:お買い物プログラム

お店で買い物をするプログラムを考えてみましょう。

所持金:1000円
りんご:100円
みかん:80円
バナナ:120円

りんごを2個、みかんを3個買ったら、残金はいくら?

答えを見る
所持金 = 1000
りんごの値段 = 100
みかんの値段 = 80

// りんごを2個買う
りんごの合計 = りんごの値段 × 2  // 200円
所持金 = 所持金 - りんごの合計    // 800円

// みかんを3個買う
みかんの合計 = みかんの値段 × 3  // 240円
所持金 = 所持金 - みかんの合計    // 560円

// 答え:残金は560円

問題2:温度変換プログラム

摂氏(℃)を華氏(°F)に変換するプログラムを考えてみましょう。

変換式:華氏 = 摂氏 × 9/5 + 32

摂氏20度は華氏何度?

答えを見る
摂氏 = 20
華氏 = 摂氏 × 9/5 + 32
華氏 = 20 × 9/5 + 32
華氏 = 36 + 32
華氏 = 68

// 答え:摂氏20度は華氏68度

いろいろな箱の使い方

1. 交換する

2つの箱の中身を入れ替えるには?

// 最初の状態
箱A = "りんご"
箱B = "みかん"

// 一時的な箱を使って交換
一時的な箱 = 箱A      // 一時的な箱に「りんご」を入れる
箱A = 箱B            // 箱Aに「みかん」を入れる
箱B = 一時的な箱      // 箱Bに「りんご」を入れる

// 結果:箱Aは「みかん」、箱Bは「りんご」

2. カウンターとして使う

何回やったか数える:

回数 = 0

// 腕立て伏せをするたび
回数 = 回数 + 1  // 1回目
回数 = 回数 + 1  // 2回目
回数 = 回数 + 1  // 3回目

// 結果:回数は3

3. フラグ(旗)として使う

状態を記憶する:

宿題終わった = false  // まだ終わってない

// 宿題をやる...

宿題終わった = true   // 終わった!

// もし宿題が終わったら、ゲームができる

よくある間違いと対処法

間違い1:箱を作る前に使う

// ❌ 間違い
合計 = 数字1 + 数字2  // 数字1と数字2の箱がまだない!

// ✅ 正解
数字1 = 10
数字2 = 20
合計 = 数字1 + 数字2

間違い2:箱の名前を間違える

// ❌ 間違い
プレイヤーの名前 = "太郎"
ようこそ + プレーヤーの名前  // 「プレイヤー」のスペルが違う!

// ✅ 正解
プレイヤーの名前 = "太郎"
ようこそ + プレイヤーの名前

実践演習:CommandPlaygroundで体験

CommandAcademy Terminal
Welcome to CommandAcademy Terminal!
Type "help" to see available commands.
user@cmdac:~$

ファイルツリー

/
etc
hosts35B
passwd76B
home
user
tmp
usr
bin
share
var
log

今日のまとめ

覚えておいてほしい3つのこと

  1. 変数は「名前付きの箱」(中身を入れたり出したりできる)
  2. 分かりやすい名前をつけることが大切
  3. 箱の中身はいつでも変更できる

次回予告

次のレッスンでは、箱に入れる「データの種類」について学びます。

  • 数字の箱(1, 2, 3.14...)
  • 文字の箱("こんにちは"、"ABC"...)
  • はい/いいえの箱(true/false)

それぞれの箱には、入れられるものと入れられないものがあります。その違いを楽しく学びましょう!

チャレンジ問題

ミッション:成長記録プログラム

あなたの成長を記録するプログラムを考えてみましょう。

記録する項目:

  • 名前
  • 学年
  • 身長
  • 好きな教科

1年後に学年が上がって、身長が5cm伸びたとき、どう変数を更新しますか?

答えの例を見る
// 最初の記録
名前 = "山田太郎"
学年 = 4
身長 = 130
好きな教科 = "算数"

// 1年後...
学年 = 学年 + 1      // 5年生になった
身長 = 身長 + 5      // 135cmになった
好きな教科 = "理科"   // 好きな教科が変わった

// 結果を表示
"名前:" + 名前
"学年:" + 学年 + "年生"
"身長:" + 身長 + "cm"
"好きな教科:" + 好きな教科

素晴らしい!変数という「魔法の箱」の使い方が分かりましたね。プログラミングでは、この箱をたくさん使って、いろいろなものを作ります。次回も楽しみにしていてください!

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